レジオネラ感染症と建物内のクーリングタワーの関連性

はじめに

レジオネラ感染症は、レジオネラ・ニューモフィラという細菌によって引き起こされ、水源からのエアロゾル吸入によって感染が拡大します。

特に、建物内に設置されたクーリングタワーが感染源となることがあるため、この記事ではレジオネラ感染症とクーリングタワーの関連性に焦点を当て、そのリスクと予防策について詳しく解説します。

1. クーリングタワーとは何か

まず、クーリングタワーが何であるかを理解しましょう。

クーリングタワーは、建物内の空調システムや工業プロセスにおいて、熱を放散するために使用される設備です。

これらの設備は一般的に水を使用し、その水を冷却するために大量の空気を通過させます。

この過程で水が霧状になり、微小な水滴（エアロゾル）が周囲に放出されることがあります。

2. レジオネラ感染症とクーリングタワーの関連性

レジオネラ感染症とクーリングタワーの関連性は、感染源としてクーリングタワーから放出されるレジオネラ菌が建物内の人々に感染を広げる可能性があることに基づいています。

– クーリングタワー内の水源: クーリングタワー内の水源は、レジオネラ菌の生息環境となります。特に、温度が適切で湿度が高い状態は、レジオネラ菌の増殖を促進します。

– エアロゾル化: クーリングタワーの運転中に水がエアロゾル化し、微小な水滴が周囲に拡散します。これらの水滴にはレジオネラ菌が含まれている可能性があり、これを吸入することで感染が広がります。

– 感染リスクの増加: クーリングタワーの水が適切に管理されていない場合、レジオネラ菌が増殖し、エアロゾル化して感染リスクが高まります。特に高齢者、免疫不全患者、慢性疾患を持つ人々は感染リスクが高まります。

3. レジオネラ感染症のリスクと予防策

クーリングタワーからのレジオネラ感染症のリスクを軽減し、予防するためには、以下の予防策が重要です。

– 水源の管理: クーリングタワー内の水源は定期的に清掃し、消毒処理を行うことが不可欠です。水道施設や冷却装置の保守点検も欠かせません。

– 温度管理: 水の温度を適切に管理し、高温のお湯で殺菌することが効果的です。レジオネラ菌は高温に弱いため、適切な温度管理は感染リスクの低減につながります。

– 感染源の監視: クーリングタワーの定期的な監視と感染源の特定が行われ、感染リスクを低減するための対策が取られるべきです。

– 適切な設備の設置: クーリングタワー周辺に適切な設備を設置し、エアロゾルの広がりを制御する努力が必要です。

まとめ

レジオネラ感染症と建物内のクーリングタワーは、感染症のリスクとの関連性が高いことがあります。

感染症の予防策として、クーリングタワー内の水源の適切な管理、温度の管理、感染源の監視、適切な設備の設置などが不可欠です。

特に高齢者や免疫不全患者など感染リスクの高い人々の保護が重要であり、公衆衛生上の対策が必要です。

建物内のクーリングタワーの安全な運用と管理は、レジオネラ感染症の予防において重要な役割を果たします。

関谷 和行

株式会社宝ビルサービス代表取締役社長

株式会社宝ビルサービスは、宮崎県で50年の信頼と歴史を誇る総合ビルメンテナンス企業です。
清掃、設備保全、人材派遣など、ビルに関するあらゆるメンテナンスをワンストップで提供しています。 当社は、さまざまな施設の清掃を請け負っており、高い技術とノウハウで、お客様のニーズに応じた清潔な環境を提供しています。 また、当社は宮崎県で唯一の公益社団法人全国水利用設備環境衛生協会の正会員です。
レジオネラ菌対策の専門家として、レジオネラ菌の発生や拡散を防止するための対策を講じています。レジオネラ対策の講師や対策顧問も可能です。レジオネラ菌対策の重要性や対策方法について、わかりやすくご説明いたします。 お客様の安全・安心を第一に考え、今後も、地域の皆さまの暮らしを支える企業として、邁進してまいります。