冷却塔でレジオネラ菌が発生する原因と対策
冷却塔の水は、常に大気にさらされ、汚れやコケの発生、バイオフィルムが発生しやすい環境になり、6~9月までの水温は15~34℃になるため、レジオネラ菌の増殖に好適な場所となる。
建物の空調設備で、外気取り入れ口との距離や風向きによっては、冷却塔が感染源となる場合があるため、冷却塔の衛生管理には注意が必要です。
冷却塔のレジオネラ菌検査は年に何回必要?
「新版レジオネラ症防止指針」((財)ビル管理教育センター発行)によれば、冷却塔の適切な管理には以下のポイントがあります。
まず、冷却塔は毎月1回程度、定期的に物理的な洗浄が望ましいです。
また、レジオネラ属菌の水質検査の頻度は通常、一般環境(特定建築物)では年に1~2回以上行うことが勧められています。
冷却塔の水質基準
冷却塔水について法的な基準はありませんが、厚生労働省や自治体は、「新版レジオネラ症防止指針」に基づいた指導を行っています。
レジオネラ属菌数の目安は、100 CFU/100ml 未満
検出された場合の対応は、直ちに清掃、 消毒等の対策を行い、 実施後は、不検出であることを確認することとなっています。
冷却塔の定期清掃について
冷却塔の物理的な清掃及び清掃に伴う冷却水の入れ替えは、設備の保守管理上重要です。
しかし、 物理的な清掃のみでは効果が持続せず、一旦減少した冷却水中のレジオネラ属菌は、通常、運転再開とともに増加を始めます。
【物理的な清掃の一般的な方法 (建築物における維持管理マニュアルより抜粋) 】
(a) 冷却水の循環を停止した後、冷却塔下部水槽の水を排出する。
(b) 冷却塔内部の汚れは、 デッキブラシ等を用いて洗い流す。
(c) 充填材の汚れは、高圧ジェット洗浄で落とす。
(d) 洗浄により、下部水槽に溜まった汚れは冷却塔の排水口から排出し、 冷却水系に混入しない ようにする。
(e) 冷却塔内部をよくすすいだ後、 清水を張り運転を再開する。 なお、 清掃に際しては、 作業員の安全確保のため、 保護マスク、 保護メガネ、 ゴム手袋等を着用させる。