レジオネラ属菌はどこからくるの?どこで増えるの?
レジオネラ属菌は、近年注目を浴びている感染症の原因として知られています。では、レジオネラ属菌は一体どこからくるのでしょうか?そして、どのような環境で増殖するのか?それについて詳しく見ていきましょう。
1. レジオネラ属菌とは
まず初めに、レジオネラ属菌について簡単に説明しましょう。レジオネラ属菌は、主に水中に生息し、温暖で湿潤な環境を好む細菌の一群です。この菌は通常、水の中や湿った土の中で生息しています。
2. どこからくるの?
2.1 自然の中
レジオネラ属菌は自然な水域、例えば湖や川、土の中などに広く分布しています。レジオネラ菌を含んだ水や泥、土ほこりなどで人間が住む環境に入ってきます。
2.2 人工の水源
人工の水源はレジオネラ属菌が増殖する場所になり得ます。例えば、冷却塔、温泉、プール、スパ、浴場などは特に注意が必要です。環境が整えば、レジオネラは曝発的に増殖し、水飛沫や空調などで空気中に拡散し、人間が生活するところに入ってきます。
3. 増殖の条件
3.1 温暖で湿潤な環境
レジオネラ属菌は温暖で湿潤な環境を好みます。特に水温が20〜50度程度の範囲が増殖に適しています。このため、夏季や温暖な地域での感染リスクが高まります。
3.2 汚染された水
汚染された水が増殖の条件となります。有機物や微生物が豊富な水域ほど、レジオネラ属菌が増殖しやすくなります。
特に循環型の入浴施設や冷却塔においては、水が循環するため、人の皮脂や汚れを栄養として細菌が増殖し、レジオネラの棲家となる生物膜が増えます。清掃・消毒が不十分な場合は、増殖して、感染事故の原因となります。
4. 人体への感染経路
4.1 エアロゾルの吸入
感染の主な経路は、レジオネラ属菌を含んだ水が生成したエアロゾルを吸入することです。特に冷却塔や入浴施設、加湿器などで水が霧状になる場合、微細な粒子となって吸入されやすくなります。
4.2 飛沫感染
入浴施設での水飛沫を吸引する場合や、冷却塔で発生した水飛沫が空気中を漂い他の場所へ広がることがあり、これが施設内での集団感染の原因となります。
5. 予防と注意点
5.1 適切な管理
感染を防ぐためには、水源の適切な管理が欠かせません。冷却塔や温泉施設では定期的な清掃や消毒が必要です。
5.2 人工施設の注意
特に人工の水源を有する施設では、定期的な検査や適切な設備管理が必要です。温水の環境では特に警戒が必要です。
6. まとめ
レジオネラ属菌は水中や土の中で生息し、温暖で湿潤な環境を好みます。自然な水域や人工の水源、特に入浴施設は感染の要因となり得ます。感染の予防には、水源の適切な管理や注意が必要です。特に人工の水源を有する施設では、温床となるバイオフィルムの除去となる清掃・消毒を徹底することが、感染のリスクを最小限に抑えることができます。