入浴施設の配管等の洗浄方法
次亜塩素酸ナトリウム(塩素)
入浴施設で配管の洗浄を行う際、高濃度の有効塩素を含んだ水を配管内で循環させる方法があります。
通常、残留塩素濃度が10~50mg/Lほどあると効果的ですが、配管が腐食する可能性がある場合は、5~10mg/L程度に調整することをおすすめします。
この状態で、数時間にわたって浴槽の水を循環させます。
もし浴槽内の配管などにバイオフィルム(微生物の付着層)が存在する場合、塩素を添加することで微生物の細胞膜を破壊し、タンパク質や多糖類を取り除くことができます。
ただし、酸化力が強いため金属腐食(サビ)させるので注意が必要です。
特に、ろ過装置のろ材には自然石や人造石(セラミック製のボールや砂など)を使用している場合は、十分な消毒を行うか、ろ材を別のものに交換する必要があります。
バイオフィルムの付着状態や塩素濃度によって循環消毒の時間は異なりますが、通常は2時間から6時間程度、状況によってはそれ以上の時間が必要になることがあります。
過酸化水素・過炭酸ナトリウム
通常、過酸化水素水は2~3%の濃度で使用します。
これは、有機物と反応して泡を出し、バイオフィルムを取り除く効果があります。
同時に、強力な酸化作用によって細菌を殺します。
この方法では、約2時間程度、浴槽の水を循環させます。
ただし、濃度の高い過酸化水素水(6%を超えるもの)は劇物指定されており、取り扱いには危険が伴います。
使用後には、排水する際に中和作業が必要です。
二酸化塩素
高濃度の二酸化塩素を浴槽水に加え、配管内を循環させることで殺菌します。
ただし、循環系内の配管の腐食を心配するため、2~4mg/Lほどの濃度で行うことがおすすめです。
この状態で、数時間にわたって浴槽の水を循環させます。また、二酸化塩素は消毒と同時に消臭効果もあります。
ただし、二酸化塩素は貯蔵が難しく、水溶液で保存することは適していません。
また、種類によっては効果や方法が不明確なものもあるため、効果を確認するために事前に手順や安全性を確認することが重要です。
なお、高濃度の薬剤を使用して浴槽を清掃・消毒した後は、排水時に環境への配慮として中和作業を行うなど注意が必要です。